プ譜のテンプレートと、書き方のワンポイントアドバイス!

この記事について

どんなテンプレート?

こんなテンプレートです。

ダウンロードは、こちらから

パワーポイント版は、こちらです。
リンクをクリックすると、ダウンロードできます。

https://www.gotolab.co.jp/wp-content/uploads/2024/10/pufu-template.pptx

googleスライド版は、こちらです。リンクをクリックすると、新規タブまたはアプリで開きます。
読み取り専用になっていますので、コピーしてご利用ください。

https://docs.google.com/presentation/d/1MbR34QM-G-ztCSzOZPSy_vfg7fj3VXECmRTBzHawJbY/edit?usp=sharing

基本的な使い方

どの要素も共通「ここに記入」と書かれた部分を、編集します。
獲得目標、勝利条件、中間目的枠とテキストが追従せず、位置が固定されています。
施策付箋のように、位置の調整ができるようになっています。
施策と中間目的をつなぐコネクタ要素同士のつながりを考える作業を簡略化するため、固定にしてあります。
廟算八要素(びょうさんはちようそ)各要素の文字量にあわせて、テキストボックスが追従します。

本来は、中間目的は3つとは限らないのですが、長年、プ譜を自分でも書いたり、実務、研修等で活用してきた経験上、3つに収まるときが、一番バランスが良いことが多いため、このテンプレートでは、3つにしています。

書く順番は、どこから書いてもいいのですが、初めての方へのお勧めは、以下の通りです。

①獲得目標
(得たいものは、コレだ!という、具体的なモノを決める)
 ↓
②廟算八要素
(得たいものを、得ようとしたときに、利用可能な資源やリスクを見極める)
 ↓
③施策
(これからどんなアクションを取っていきたいかを、自由に発想し、書いていく)
 ↓
④中間目的
(それらの施策が、なんのため、どんな中間目的のためなのかを考える)
 ↓
⑤勝利条件
(最終的に、その取り組みが成就するために、何がどうなっているべきかを短く言い切る)

ワンポイントアドバイス

一般的なプロジェクト管理表現は、作るメニューが決まっていて、各工程の中身や工程同士の関係性が十分に既知である場合に、もれなくミスなく進めていく、という場合に向いています。

一般的なプロジェクト管理表現の例

プ譜による表現は、どんな趣旨で、何を目指し、どこに向かってきたいのか、また、どのような制約があり、なにがコントロール可能か、という全体状況を表現するのに向いています。

プ譜による表現の例

A.
基本的には、形あるモノ、成果物として対象化できるものだと、書きやすいです。
なかでも、2~3ヶ月後に作り出そうとしているものだと、書きやすいことが多いです。

とはいえ例えば「業務改善」のような抽象的なゴール設定でも、書くことができますし、
これをもう少し具体化し、
「◯◯の業務にかかる時間を半分以下にする」
「業務改善のための◯◯のツールを導入する」
といったふうにしても、書くことができます

最初のうちは、あまり深刻に考えすぎず、書きやすいもので書いてみていただくとよいかと思います!
(一回まずは書いてみて、しっくりこない部分をもう一度見直してみる、というのもオススメです)

A.
観点としては、4つあります。
①強みや機会などの、有利な条件
②弱みやリスクなどの、不利な条件
③予算や人員の上限などの、制約条件
④到達ラインや合格レベル、納期などの、必達条件

以上の観点を、八要素の項目に照らしてみて、思いつく言葉があれば、思いつくままに、書いてみてください。 

A.
必ずしも、3つである必要はないですので、ご安心ください。
ただ、1つだけ、というのはさみしいので、2つぐらいは、頑張ってみてください。
コツは、そのプロジェクトの「状態」がどうなっているか、をイメージすることです。
例)
・利害関係者の気持ちが、ひとつになっている。
・作りたいモノの仕様が、明確になっている。
・予算オーバーにならず、黒字で運営できている。
・納期に間に合うように、段取りが明確になっている。
・技術的な限界を突破する、創造的なアイデアが生まれる。

A.
プ譜を書くにあたって、おそらく、一番むずかしいのが、勝利条件を書くことです。
コツは「正しいことを書こうとしないこと」です。
プロジェクト状況において、やってみる前から勝利条件を見抜くことは、原理的に言って不可能です。
基本的には、一旦書いてみて、活動してみて、振り返りつつ、ブラッシュアップすることをお勧めしています。

良い表現の目安:
●シンプルに、何がどうなっているべきかが、表現されている
●関係者に見せたときに、納得感がある 笑顔が出てくる 建設的なアイデアが出てくる
●獲得目標の言葉と、表現が対になっている(定量―定性 具体―抽象 など)
●できることとできないこと、機会とリスクを見極め、やりたいことがシャープに絞られている

避けたい表現の目安:
●獲得目標と同じ言葉が含まれていて、全体の表現として、膨らみが弱い
●「あれもこれも」式の欲しがりな表現になっている

A.
それぞれの要素は、互いに関係しているので、一筆書きできれいに書くのは、かなり難しいです。
ですので、一旦、ひと通り書き上がったら、以下の観点で見直し、全体を調整してみてください。

●勝利条件を満たすために、中間目的は足りているか?
●廟算八要素から想起される問題は、いま書いている施策でちゃんと解決できるか?
●勝利条件と獲得目標の釣り合いは取れているか? 重要な利害関係者に見せて、納得が得られるか?

A.
できるときと、そうでないときと、どちらもあり、ケース・バイ・ケースです。
感覚として、
●WBSは、「詰将棋」
●プ譜は「指し将棋」
というイメージがあります。

つまり、
●最後に作り上げたい成果物が明確で、逆算式で、漏れなく作業を洗い出したいときは、WBS
●色んな意味で不確定要素が大きく、局面を広く見たいときは、プ譜

といった使い分けを意識していただくとよいかと思います。

目標が明確ても不明瞭でも、営利でも非営利でも、ITでも非ITでも、いろいろな状況で書けるので、以下の表現例も、ぜひ、ご参考になさってみてください。

プ譜の作例 スタートアップ新規事業「グルメサイトテコ入れ」
プ譜の作例 IT受託開発ディレクション「基幹業務システムのリプレイス」
プ譜の作例 官民共創プロジェクト「新たなご当地グルメ」
プ譜の作例 地域イベント「子育てフリーマーケット」

ちなみに、「カレーを作る」を題材にするだけでも、様々なレベル感の検討、表現が可能です。
以下のリンク先にある作例も、ご参考いただけますと幸いです。
(外部サイトに遷移します)

キックプ譜「事例集」カレーを作る十段階

A.
はい、もちろん、使えます。

●行き詰まった取り組みの立て直しを立案
●キックオフMTG時のチーム立ち上げ
●現場で起きていることを経営側が理解
●部署や組織をまたぐ取り組みの計画作り
●新規事業の手始めにおけるアイデア出し
●カスタマーサクセスにおける伴走ツール
●若手メンバーへの心構えセットアップ
●社内事例の蓄積、次世代への継承
●project based learningの補助ツール

など、非常に幅広い事例があります。

A.
基本的には、大きく3通りの使い方があります。

①組織の責任者が、チーム全体のプ譜を書き、メンバーに周知する
②中核リーダーが、自分のスコープに関するプ譜を書き、責任者に随時共有する
③関わるメンバーみんなでそれぞれが、自分の思うところを書いて、互いに共有し、相互理解や全体最適を図る

①は、個人利用の延長のイメージです。

②については、以下の記事が参考になるかと思います。
アドタイ記事 社員のプロジェクト起案が絶えないシール印刷会社 秘訣は「プ譜」の活用にあり
https://www.advertimes.com/20240710/article466830/ (前編)
https://www.advertimes.com/20240711/article466852/ (後編)

③は、以下の記事をご参考ください。
アドタイ記事 社内のDE&I推進プロジェクト、活動を「プ譜」で具体化(大広・大広WEDO)
https://www.advertimes.com/20241018/article476927/

また、以下の書籍で、かなりしっかりと活用方法を解説しています。

プ譜について、より深く知るための参考リンク

キックプ譜:プ譜を作成、共有するためのサービスです。
非常に自由にプ譜を作成でき、また振り返りやメンバーとの共有など、便利な機能がたくさんあります。

https://kickpufu.com

プロジェクト工学フォーラム:プ譜やプロジェクトについての、論考集です。
学術的に、しっかり掘り下げて考察していく、という方向性で運営しています。

https://scrapbox.io/ProjectScore/

共同提唱者の前田さんも、独自に色々と情報発信されています。

http://kodomonogatari.blogspot.com/2018/11/zoom.html

本テンプレートの利用にあたりまして


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    この記事の著者

    後藤洋平,ポートレート

    プロジェクト進行支援家
    後藤洋平

    1982年生まれ、東京大学工学部システム創成学科卒。

    ものづくり、新規事業開発、組織開発、デジタル開発等、横断的な経験をもとに、何を・どこまで・どうやって実現するかが定めづらい、未知なる取り組みの進行手法を考える「プロジェクト工学」の構築に取り組んでいます。
    著書に「予定通り進まないプロジェクトの進め方(宣伝会議)」「”プロジェクト会議” 成功の技法(翔泳社)」等。