アジャイル型仮説検証の孤独と希望

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最近はアジャイルという言葉を見かけることが減った気がする。
幻滅期に入った、ということなのだろうか。

個人的には、いまこそアジャイル、なかでも仮説検証のことばが重要キーワードになりつつある気がする。

仮説検証って、言うは易しだけど、やってみると、ほんとに難しい。

AはBだと思ってやってみる。
Cという結果が返ってくる。
XはYだったのか?みたいな問いが出てくる。

みたいな…

これのおかげでよかった、とか、あれのおかげでだめだった、と思っても、全然違った、ということがよくある。

「これは絶対うまくいく」と思った施策は高確率で空振りする。
「こんなんあかんやろ」と思いながら、ダメ元でやったことが、案外うまくいったりする。

仮説検証の際に、成功失敗の明確なサインを読み取るのは難しい。
成功要因、失敗要因を分析するのも難しい。

アジャイル型仮説検証の究極のゴールは、リアクション、反響やコンバージョンを取ることである。
反響が返ってこないのもつらいが、反響が返ってくるようになると、こんどはネガティブな反響にめげそうになる。
静かな共感や好意のサインは見えづらく、聞き取りにくい。
社交辞令を真に受けてしまって勘違いすることもある。

新しいことをやっていると、結果を出すのは難しい。
だからだんだん不安になるし、不安になると仮説検証のロジックもサイクルも不安定になる。

いろいろやってきて、最終的に思うことがある。それは、失敗は資産になる、という考え方は、言い古された言い方だけど、改めてやっぱり大事だぞ、ということだ。これをスローガンのレベルで考えるのではなくて、実利のある形でちゃんと残して、事業アセット化するのが大事なのだろうと思う。
自分の場合はブログがそれで、なにがどうなるかわからないけど、とにかく始めてみて、ネガポジどちらの意味においても、思った通りの動きにはならなかったけど、なんだかんだでアクセス数が増えるという結果は起きた。webライティングの文法や、web上での人間の行動傾向を理解した。
そうすると、次の試行の効率は高まるし、精度も上がる。webだけでなくリアルな接点を持ってみようか、とか、手段の幅も広がる。

アジャイルという言葉から、素早く確実に成功する、というイメージを受け取ると、うまくいかなくて幻滅する。

素早く失敗し、学んで成長する、というふうに思うしかなくて、成長のさきに成功が待っているかは誰も約束してくれないけど、必ず当たる宝くじは存在しないわけで、それは所与の前提として受け入れるしかない。時代の流れを読んだり、技術力を高める、オリジナリティのあるテーマとコンセプトを磨くなどすれば、成功確率を高めることはできる。

失敗を許容可能な状況を作り、それを粛々と続ける以外にない。

それは孤独な道なのだけれども、何度も何度もやっているなかで、突然、思わぬ方向からの共鳴を感じることがある。
その一筋の光明こそが、希望なのだと思う。


この記事の著者

後藤洋平,ポートレート

プロジェクト進行支援家 後藤洋平

ものづくり、新規事業開発、組織開発、デジタル開発等、横断的な経験をもとに、何を・どこまで・どうやって実現するかが定めづらい、未知なる取り組みの進行手法を考える「プロジェクト工学」の構築に取り組んでいます。

世の中のプロジェクトがもっと幸せなものであるようにと思って、日々、プロジェクト立て直しや育成プロセス改善など、試行錯誤しながら、活動しています。

著書

・予定通り進まないプロジェクトの進め方(宣伝会議)
・紙1枚に書くだけでうまくいく プロジェクト進行の技術が身につく本(翔泳社)
・“プロジェクト会議”成功の技法 チームづくりから意思疎通・ファシリテーション・トラブル解決まで(翔泳社) 等

連絡先

mail: info@gotolab.co.jp
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