
この記事について
この記事は、そもそもプロジェクトマネジメントとはなにかを解説します。そもそもプロジェクトとはなにか、という原点から、プロジェクトマネジメントという言葉の矛盾性に着目し、それを乗り越えるための核心的な意味に迫ります。
そもそも、プロジェクトとはなにか?
プロジェクトマネジメントとはなにかを理解するためには、まずは、プロジェクトとは何かを正しく定義する必要があります。
「プロジェクト」の言葉は以下の形で定義されます。
プロジェクトとは
◯不確実な環境や与えられた制約のなかで
◯限られた資源を用いて
◯なにかしらの成果物を生み出す試みを通して、
◯より望ましい新たな日常を迎えようとする取り組み
プロジェクトを一言でいうと、それは「未知への挑戦」です。
プロジェクトの基本三要素を分解すると「資源」「制約条件」「目標」となります。
これらの3つの要素は、時々刻々と変化します。

プロジェクトとは、そもそも思い通りにならないように、できています。
これは、当たり前のようでいて、結構重大な問題をはらんでいます。
なぜなら「マネジメント」という言葉には「思い通りに結果をコントロールする」という意味が含まれるからです。
未知への挑戦の結果を、思い通りにコントロールできる人は、いません。
では、プロジェクトマネジメントとは?
プロジェクトマネジメントを、プロジェクトの結果そのものをマネジメントする手段と理解すると、不可能なことをあたかもできるというような、矛盾した話となります。
プロジェクトマネジメントは、そこに関わる人間同士の納得感を目指すための管理行動だと理解すれば、矛盾なく定義できます。
プロジェクトマネジメントとは
◯プロジェクト活動において
◯関係者同士の間で合意された
◯品質や予算、期限などの目標や要件を達成するための
◯一連のプロセス管理
プロジェクトと、プロジェクトマネジメントの違い
プロジェクトは「未知への挑戦」
プロジェクトマネジメントは「プロフェッショナルの約束」
プロジェクトは「気がつけばそこにあるもの」
プロジェクトマネジメントは「当事者同士の契約により発生するもの」
プロジェクトは「勇気を出して、風呂敷を広げ、あきらめずに追いかけ続けるもの」
プロジェクトマネジメントは「不安に負けず、着地をさせるために、あきらめをつけること」
まとめ
以上のように整理すると、ごく当たり前の話に見えるかもしれませんが・・・
私は「予定通り進まないプロジェクトの進め方」を上梓して以来、ありとあらゆる機会を通じて、これらふたつの定義について様々な人と議論をし、文献にあたり、探求を続けてきましたが、どこかにポコンと答えが載っているということはありませんでした。約10年の模索を経て、ようやく、この定義にたどり着きました。
なにかヒントになるようでしたら、幸いです。
この記事の著者

プロジェクト進行支援家 後藤洋平
ものづくり、新規事業開発、組織開発、デジタル開発等、横断的な経験をもとに、何を・どこまで・どうやって実現するかが定めづらい、未知なる取り組みの進行手法を考える「プロジェクト工学」の構築に取り組んでいます。
プロジェクト能力開発やPM/PL人材不足問題の解決のために、日々、試行錯誤しながら、活動しています!
著書
・予定通り進まないプロジェクトの進め方(宣伝会議)
・紙1枚に書くだけでうまくいく プロジェクト進行の技術が身につく本(翔泳社)
・“プロジェクト会議”成功の技法 チームづくりから意思疎通・ファシリテーション・トラブル解決まで(翔泳社) 等
提供サービス実績
・現場リーダー層のプロジェクトマネジメント能力や業務課題の現状調査
・カスタマーサクセス、導入コンサルティングの組織、スキル要件整理、プロジェクト標準見直し
・PMO部門責任者の退任にともなう後任探し、引き継ぎのための業務棚卸し支援
・社員育成体系のリニューアルにともなう社内キーパーソンへのインタビュー、問題整理 等
プロジェクトや組織の悩みがあれば、ぜひお寄せください!
プロジェクトの悩みは、ひとりで悩んでいても、なかなか、解決は難しいものです。
利害関係やしがらみがないからこそ、差し上げられるヒントもあります。
ひとこと、お声がけいただければ、ご相談に乗らせていただきますので、お気軽にご連絡をいただけますと幸いです。
mail: info@gotolab.co.jp
Facebook https://www.facebook.com/gotoYohei
LinkedIn https://www.linkedin.com/in/%E6%B4%8B%E5%B9%B3-%E5%BE%8C%E8%97%A4-2159a925b/
参考
ゴトーラボでは、プロジェクトの企画書や計画書、MTG資料や議事録から、プロジェクト組織や進行に関する深層課題を読み解き、今後、どのような対策を打つとよいかのヒントを差し上げる、というサービスを提供しています。
数多くの深層課題に触れてきたなかで、見えてきた知見もございます。特に、SI開発やDXプロジェクト、新規事業などを中心に多くのご相談をお受けしています。
サービス紹介ページはこちら→ https://www.gotolab.co.jp/pm-skill_assesment/
この記事もおすすめ
プロジェクトワークの基本的な世界観
「プロジェクトの進め方」は1つじゃない!8つのタイプ別に考える推進アプローチ
受託/商品開発/事業開発/変革など、プロジェクトの進め方と勘どころをタイプ別に解説!
「取引」(商談・契約・納品・検収)の一連の流れを「モノ」と「プロセス」の二元的解釈によって読み解く
要望/要求/要件/仕様/設計の違いについて解説!【テンプレートあり】
テンプレートや作例も!プロマネスキル向上のヒント集
ITじゃないプロジェクトも!WBSの書き方再入門【テンプレートあり】
タスクの無間地獄に落ちないための、課題管理のコツ【テンプレートあり】
うっかり間違えやすい、「要件定義」の本質的な意味と方法【テンプレートあり】
SaaS・AI時代のITプロジェクトの鉄則
ITサービスの導入成功に必要な「プレ・キックオフ・コミュニケーション」のご紹介
SaaSを活かすか殺すかは、情報システム企画構想の質が決める【テンプレートあり】
究極の手戻り対策:作業後の「やっぱ、ここ、こうして」問題はどうするとよいか
プロジェクトの遅延やトラブルは、「キックオフ」の時点で、すでに始まっている
AI時代、それはプロジェクトの「マネジメント」でなく「デザイン」の質が問われる時代
プ譜についての解説
プ譜のワイガヤ研究会
Case3 「聞く人」結縄さんのビジネス相談(リアルケース)
プロジェクトの類型別攻略定跡
実体験から解説! 委託・受託型プロジェクトのよくある問題と対策
理念とリアルの相克! 事業開発の成否は「テーマとコンセプト」が握る
テーマとコンセプト
プロジェクトの企画構想に、輝きを取り戻すための「視点」と「問い」
プロジェクト進行能力を、組織的に底上げする
社員のプロジェクト進行スキルを、組織的に底上げしていくための処方箋
3つのお悩みカテゴリでわかる!PM、PL人材の層を厚くするための、打開のヒント
PM/PL人材の評価・育成の方法を徹底解説【テンプレートあり】
PM研修おすすめ比較|企業向けプロジェクトマネジメント研修の選び方
PM研修講師はどうやって探す?企業が実際に使っている10の方法と具体的な企業・団体例
プロジェクト組織におけるPMの役割と、必要な個人の内的資源の話
「プロマネスキル」と「社会人基礎力」の違いを本気で考えてみる!
「PMやPMOに、コストをかける意味って、ほんとにあるの?」という素朴な疑問への答
複雑化した座組みのプロジェクトを救うのは「カリスマ的プロジェクトマネージャ」ではなく「フラットな媒介者」
シリーズ「地獄化プロジェクトからの脱出」
年商10億円の伸び悩み問題を「組織的プロジェクト進行能力」の視点で考える
趣味的な放談コンテンツ
少年漫画の金字塔「HUNTER×HUNTER」は、プロジェクト的思考のヒントのパラダイス
