
この記事について
多くの企業で「PM人材が育たない」という課題が聞かれます。
研修を実施しても、
・実務で使われない
・プロジェクトがうまく回らない
・PMを任せられる人材が増えない
といった状況に悩んでいる企業は少なくありません。
\この記事では、PM人材育成がうまくいかない理由と、企業が取るべきアプローチを整理します!/
もくじ
1 PM人材が育たない企業の典型パターン
2 原因の解説:なぜPM育成は難しいのか
3 解決策:PM能力を高める3つのアプローチ
4 PM育成アプローチの比較
5 事例
6 まとめ
PM人材が育たない企業の典型パターン
PM人材が育たない企業の典型パターンには、おもに7つのタイプがあります。
パターン① OJT任せ
そもそも体系的な育成の仕組みがなく、現場まかせにしている企業は意外と多いです。
パターン② 営業重視、納品軽視
なかでも、営業力が強い企業は、PM能力が低くても数字が作れてしまうので、PM育成を軽視しがちです。
パターン③ PMの役割があいまい
業務上、プロジェクトマネジメント業務が大事で、実際にポジションとしてPMを置いていても、その役割をあいまいにしているせいで、適切に管理がなされず、現場が崩壊しているケースもよく見かけます。
パターン④ 成功して当然、という風潮がある
どんなに困難なプロジェクトでも、成功しても当たり前、称賛も評価もされず、有能なPMが静かに会社を去っていく、というのも、よく見かける姿です。
パターン⑤ 遅延や失敗を当たり前だと思い込んでいる
同時に、失敗が常態化してしまい、なんの反省もなく生産性の低い現場が回り続けてしまう、という地獄も、かなりよく見かけます。
パターン⑥ 無駄な作業で忙殺されている
「仕事はやらされ」「我慢するから給料が出る」と思考停止して、本質的な課題から目を背け、眼の前の無駄な業務に没頭し、現実逃避をしていることも多いですね。
パターン⑦ 特定の「できる人」に依存している
「最後はあの人がなんとかしてくれる」という甘えが、成長意欲や責任感を阻害している・・・。
原因の解説:なぜPM育成は難しいのか
PM育成が難しいのは大きく4つの理由があります。
①プロジェクトの現場は多様であるがゆえに、いつも同じ手段やマニュアルが通用しない
②プロジェクト組織の構造上、ボトルネックが多く、適切にケアやフォロー、指導ができない
③PM能力を自己評価することは難しく、多くの人は「自分はできている」と勘違いしている
④押し付け型で、現場や育成対象者のニーズにあわない研修をやりがち
理由① プロジェクト状況は多様であり、「おなじもの」がない
●案件や状況などの個別性が高いために、PM能力を客観的に評価することが、そもそも難しい
●成功基準、初期条件の有利不利、課題や制約の質・量も異なるし、関係者同士の相性や外部環境の影響も大きい
●そのなかで、PMやPLの力のおかげで成功させたのか、そうでなかったのか、外の人間から見えづらい
●業務の中で、PMやPLが適切に物事に対処できているのかを客観的に判断するのも、実際問題として、かなり難しい
●PM能力は、いわゆる狭義のPMスキル以外にも、広い範囲の知識や技術、能力、経験が求められる
●ゆえに、とりあえずPM研修を受けさせたら、PM能力が向上する、という図式は、いつでも成り立つとは限らない
理由② プロジェクト組織は、ボトルネックだらけ
プロジェクト組織はたいてい、以下の図のような状況になっています。

「最後はこの人が、なんとかする」という構造が、みんなを救いもしますが、みんなを不幸にもしています。
理由③ PM能力の自己評価が難しい
ほとんどの人は、自分はプロマネについては問題ないと自己認知しています。

④押し付け型で、現場や育成対象者のニーズにあわない研修をやりがち

解決策:PM能力を高める3つのアプローチ
PM育成アプローチには、おおきく3つの方向性があります。
①体系的なPM知識や理論の教育
②実践型トレーニング
③実務伴走・フィードバック
PM育成アプローチの比較
外部サービスを活用してPM育成を行う場合の特徴と課題を整理します。
| サービスタイプ | 一般的な内容 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 大手総合研修ベンダの PM系コンテンツ | オーソドックスな内容の パッケージ型研修が主 | 実務連動:✕ カスタマイズ:△ | 大企業 企画職、総合職 基礎知識インプット |
| 情報システム子会社系の 研修ベンダ | 体系的カリキュラム PMBOKベースの高度な内容 | 実務連動:△ カスタマイズ:✕ | プライムベンダSIer 大規模で複雑な案件 |
| 研修動画サービス | 網羅的カリキュラム 初級から上級まで幅広く取り扱い | 実務連動:✕ カスタマイズ:✕ | 社員の学びの動機が明確 |
| ITエンジニア向け研修ベンダの PM系コンテンツ | エンジニアリングの現場に特化 | 実務連動:◯ カスタマイズ:△ | 中小中堅 IT/Web制作会社 |
| プロジェクトマネジメント特化の 専門ベンダ(中規模) | 5~10名程度の登録講師 整備された研修メニュー | 実務連動:△ カスタマイズ:△ | 中小中堅 事業会社全般 |
| PM特化の専門ベンダ(小規模) または個人 | エッジの立った先端コンテンツ 柔軟なカスタマイズ性 | 実務連動:◯ カスタマイズ:◯ | 本当に結果を出したい 現場を変えたい |
事例
弊社の事例をふたつ、ご紹介します。
①実務伴走、サポートの結果、自然と能力が向上したケース
②事前にPM能力をアセスメントし、育成プログラムを整備のうえ、施策を展開
事例① 実務伴走、サポートの結果、自然と能力が向上したケース
ドローンスタートアップで、PoCが迷走。
コンサルティングやPMスキル教育を受けたことのない、若手ドローンパイロットに伴走。
打ち合わせ同席、提案資料の作成、見積もり相談、リサーチ支援、実験現場立ち会いなどを多角的に実施。
気がつけば、PM能力が向上し、会社のなかのスター選手に。
事例② 事前にPM能力をアセスメントし、育成プログラムを整備のうえ、施策を展開
慢性的なPM人材不足、メンタル退職にお悩み。
ドキュメントからスキルレベルを客観視する、「PMアセス」を実施。
マネージャ、GM陣へのインタビューを実施し、PMロールの定義も含めてコンサルティング。
全社の機運醸成研修、専門部隊への個別研修など、戦略的な育成体系を構築。
まとめ
PM育成は、ありきたりなパッケージ研修をお仕着せでやっても、無意味です。時間の無駄です。
有効なアプローチは、二択です。
アプローチ① とにかく具体的な案件を定め、具体的に行動を起こす。
アプローチ② 本当の問題を徹底的に掘り下げ、戦略的に解決する。
プロジェクト推進力の強化やPM人材育成について、企業ごとに課題は異なります。
もし自社の状況に合わせたアプローチを検討したい場合は、お気軽にご相談ください。

PM育成の
壁打ち相談します
プロジェクトマネジメント力の強化は
企業ごとに課題が異なります。
もしPM人材育成やプロジェクト推進力の改善を検討している場合は、
まずは一度、ご相談ください。
以下のスケジューラから、オンラインでのお打ち合わせ予約を直接取っていただくことも可能です。
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この記事の著者

プロジェクト進行支援家 後藤洋平
ものづくり、新規事業開発、組織開発、デジタル開発等、横断的な経験をもとに、何を・どこまで・どうやって実現するかが定めづらい、未知なる取り組みの進行手法を考える「プロジェクト工学」の構築に取り組んでいます。
プロジェクト能力開発やPM/PL人材不足問題の解決のために、日々、試行錯誤しながら、活動しています!
著書
・予定通り進まないプロジェクトの進め方(宣伝会議)
・紙1枚に書くだけでうまくいく プロジェクト進行の技術が身につく本(翔泳社)
・“プロジェクト会議”成功の技法 チームづくりから意思疎通・ファシリテーション・トラブル解決まで(翔泳社) 等
提供サービス実績
・現場リーダー層のプロジェクトマネジメント能力や業務課題の現状調査
・カスタマーサクセス、導入コンサルティングの組織、スキル要件整理、プロジェクト標準見直し
・PMO部門責任者の退任にともなう後任探し、引き継ぎのための業務棚卸し支援
・社員育成体系のリニューアルにともなう社内キーパーソンへのインタビュー、問題整理 等
プロジェクトや組織の悩みがあれば、ぜひお寄せください!
プロジェクトの悩みは、ひとりで悩んでいても、なかなか、解決は難しいものです。
利害関係やしがらみがないからこそ、差し上げられるヒントもあります。
ひとこと、お声がけいただければ、ご相談に乗らせていただきますので、お気軽にご連絡をいただけますと幸いです。
mail: info@gotolab.co.jp
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参考
ゴトーラボでは、プロジェクトの企画書や計画書、MTG資料や議事録から、プロジェクト組織や進行に関する深層課題を読み解き、今後、どのような対策を打つとよいかのヒントを差し上げる、というサービスを提供しています。
数多くの深層課題に触れてきたなかで、見えてきた知見もございます。特に、SI開発やDXプロジェクト、新規事業などを中心に多くのご相談をお受けしています。
サービス紹介ページはこちら→ https://www.gotolab.co.jp/pm-skill_assesment/
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