AI時代にこそ読み直したい「知の編集工学」

この記事について

紹介する書籍:知の編集工学

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「知の編集工学」のキーポイント

編集とは?

「該当する対象の情報の構造を読みとき、それを新たな意匠で再生するものだ」ということ


・新聞や週刊誌の中吊り広告に書かれる広告
・番組や書籍のタイトル
・「リンゴ→赤→血→けが→スポーツ・・・・・」という連想ゲーム

編集というしくみの基本的な特徴は?

人々が関心をもつであろう情報のかたまり(情報クラスター)を、どのように表面から奥にむかって特徴づけていくかというプログラミングのこと

編集を起動させる第一条件は「注意」と、情報の「地と図」

・コップを見ているということは、そこに注意を向けているということ
・この「注意を向ける」ということが、編集を起動させる第一条件
・そこに注意を向けないかぎり、どんな編集もおこらない
・もともと情報には、情報の「地」(ground)と情報の「図」(figure)というものがある
・「地」は情報の背景的なものであり、「図」はその背景にのっている情報の図柄をさす。

脳のなかで起きている思考の姿とは

・脳の中は、知識やイメージを無数の「図」のリンクを張りめぐらしているハイパーリンク(=意味単位のネットワーク)
・そのネットワークは一層的ではなく、多層的(マルチレイヤ的)で、立体的
・<意味単位のネットワーク>を進むことを、私たちはごく一般的に「考える」と言っている
・「考える」とは、ひとまずネットワークの中の「図」のリンクをたどってみるということ
・思想とは、畢竟、そのジグザグとした進行の航跡のこと
・行為とか思考というものは、私たちが<意味単位のネットワーク分岐>を次々に進む様子のこと

一方で、そもそも「情報」とは

・そもそも情報とは区別力、差異のこと
・一般的に「情報」を定義すれば「それが出現してくる不確実性の中から特定な選択をみずからにくだすもの」ということ
・特定な選択をみずからにくだすには、そこに区別がくだされる(分節化する)必要がある
・この区別の単位が、情報科学でビットとよばれている
・AAAAAというふうに、同じAばかりが並んでいる情報のクラスター(かたまり)からはほとんど情報はえられない
・AABAA、AABBAなら、かなりの情報になる(手がかりがふえている)

記憶を再生するとはどういう現象か

・外からやってきた情報が自分に似たカテゴリーやプロトタイプを探し出すこと
・プロトタイプ  :類型
・ステレオタイプ :典型
・アーキタイプ  :元型

本書における最大のメッセージ

エディトリアリティ:媒体をまたいで表現の分量や形式が変わっても、保存されるもの

・きのう一日(14、5時間)のできごとの情報が、たかだか5、6分の情報に圧縮できる(200:1)
・岩波文庫で七冊にもおよぶヴィクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル』が、なぜかたった数+ページの絵本になる
(情報圧縮)
・二時間の演劇やミュージカルにもなる
(編集可能性の行使)
・このような「保存」や「関係の続行」を可能にしている当体を「エディトリアリティ」と名付けた

「情報化」と「編集化」の違いは?

・そもそも人類史においては、石器、土器、染織や建築などともに、文字、絵画、踊り、詩歌などが伴っており、ハード技術とソフト技術は一体的なものであった
・近代においても、よき両輪として働いていた(輪転印刷による大量の紙面、レコード、映画やテレビのようなもの)
・一方、数値化されたデータによって価値を判断する、という本来の計算機の持つ方向性により、この両輪の関係は分断された

「情報通信」の世界観から、「コミュニケーション・モデル」への修正

・情報交換が先にあるわけではなく、その場に生じている編集構造の交換が先にある!
例)パーティの場における雑談 映画鑑賞における導入部の違和感とその後の没入感

いま、なぜ、本書の知恵を摂取するべきなのか

人間が有する編集力と計算機の根本的な違い

第一
・人間はそれまでのさまざまな経験をいかして情報を処理・編集しながら、同時に適切な表現様式を自在に選んでいるのにたいし、コンピュータにはそれが難しい

第二
・人間の知的判断にはだくみな「役柄のふりあて」や「役柄の変更」がおこっているが、従来のコンピュータではやりにくい

第三
・私たちには「部分と全体を適当にとりかえながら判断を進める」ということができるのだが、コンピュータはこれがヘタくそだ

第四
・人間は状況に応じて問題解決のための方法をたえず発見的に編み出しているのだが、その点でもコンピュータはつまずいてしまう

その他
・従来のコンピュータに問題があるのは、自然言語を理解できずにあいかわらず機械言語にたよっている
・非言語情報を処理するための能力がいちじるしく劣っている
・自分でルールを変更できない(また、自生できない)
・答えの仮説の方から問題の方に逆向きにさかのぼれない(テーブル・ルックアップ能力に知けている)
・似ているものの認識範囲が狭すぎる
・象徴性としてまとめる能力が乏しい
・五感に関する感性的な情報処理機能がなかなか上達しない

六十四編集技法

編纂

 01 収集 02 選択 03 分類 04 流派 05 系統

編集

編集郡を意味単位に分節して編集する
06 編定 07 要約 08 凝縮

情報郡のモデル化が進むように編集する
09 原型 10 模型

情報の多様性がオーダーやルールを生むように編集
11 列挙 12 順番 13 規則

入れ替えや置き換えを試みて編集する
14 配置 15 交換

ある情報が他の情報とどういう関係にあるかを重視して編集する
16 比較 17 適合 18 競合 19 共鳴

二つ以上の情報の関係をつなげつつ広げながら編集する
20 結合 21 比喩 22 推理

広がった情報を俯瞰して新たな線引きをするように編集する
23 境界 24 地図 25 図解

いったん編集された情報にさらに新たな情報郡をよびこんで編集する
26 注釈 27 引用 28 例示

隠れたアイテムや意味やイメージを連想的に拡張して編集する
29 暗示 30 相似 31 擬態 32 象徴

情報に強調や変容がおきやすいように編集する
33 輪郭 34 強調 35 変容

情報の意味が別の意味に転換するようにストレスを与えて編集する
36 歪曲 37 不調 38 諧謔

情報の周囲や外部に加飾性をもたらして編集する
39 意匠 40 装飾 41 模擬

複数の情報郡を足したり引いたりして編集する
42 補加 43 削除

編集の部分的プロセスを別の編集装置に移管できるように編集する
44 保留 45 代行

情報郡に新たな座標やグリッドを与えて編集構造をつくる
46 測度 47 構造 48 形態 49 生態

情報のメッセージ性に注目しつつメディアに適合させて編集する
50 焦点 51 報道 52 統御

情報の流れをシナリオ化して場面単位に編集する
53 道筋 54 脚本 55 場面 56 劇化

情報交換のしくみや遊びや競技になるように編集する
57 遊戯 58 競技

コミュニケーションがしにくい二つ以上の文化風土をまたいで編集する
59 翻訳 60 通訳

音楽性やリズム性によって編集する
61 周期 62 曲節

総合性ありは個別性を特別にいかして編集する
63 総合 64 創造

ご案内

いかがでしたでしょうか。AI時代とは言っても、人間が思考に汗をかかなくてはならない局面は減るどころか、ますます増えるばかりです。そのなかで、この「編集」のキーワードと技法を身に着けておくことが、きっとどこかの局面で、武器として役立つことと思います。

そして、AI時代というこの、色んなことが楽しみでもあり、不安やストレスの多い時代を生きるサポートとなれれば、という思いで、後藤はプ譜の純粋壁打ちというものをやっています。

一旦、トライアル的に、無料でやっています。
以下に概要をご紹介しますので、よろしければぜひ、壁を打ちに来ていただけると嬉しいです!

「色々と試行錯誤しているが、
どうもうまくいかない」という方に

不調の根本原因と、本来の目的が
言葉になったら

悩みや迷いは、おのずと解消する。

セッションの概要

・最初の10分 自己紹介と、取り組みやお悩みの全体的な内容をお伺いします
・次の20分  専用ツール「プ譜」を使って、ご一緒に思考の言語化、可視化を実施します
・次の20分  AIレビューも活用し、思考の穴を、さらにご一緒に探します
・最後の10分  ネクストアクションを整理します

無料ショートセッション

「プ譜を使った純粋壁打ち」

なぜ「解決策ありきでない」のか

 突然の私事で恐縮ですが、40歳になる手前あたりから、「軽微なんだけど、持続すると辛い体調不良」(耳鳴りが気になる、とか、なんだかちょっと眠りづらい、など)をちょこちょこと新規獲得してきました。

 その度に、結構あわあわしながら対処してきたのですが、駆け込み先は、標準治療だったり、ときに保健外の漢方だったり整体だったり。最初に駆け込んだ先で一発で良くなることは少なくて、色々と試していくなかで、解決してきました。
 根本原因に辿り着くと、だいたいは冷えだったり、姿勢だったりして、薬で治すよりは、生活習慣の方が大事、というオチとなることがほとんどでした。
(たとえば、急に舌の調子が悪くなって、その原因が冷えで、最初は高い漢方で治していたけど、最終的に、夜寝るときに、首にタオルを巻いたら良かっただけだったとわかった・・・みたいな)

 不調のときに、初手で根本原因がわかったら良かったのになぁと思うのですが、これがなかなか、わからないものです。
 あれこれ試すなかで、あ、これだったんだ、とわかる展開が多いものです。

 経営課題や業務課題も、プロジェクト課題も、実は同じなのだと思っています。
 解決策を探すより、原因を探すのが、鉄則。とはいえしかし、分析には常に限界がある。分析には常に時間もコストもかかるし、全部が全部は、わからない。色々と試してみて、良くなって初めて、ここだったのか、と、わかる。

 例えば、医療でも、内科、外科、心療内科、漢方、リハビリ、耳鼻科、整体とか、そのように分岐しない形での、純粋診療が、あり得たりはしないだろうか?と思うことがあります。
 投薬にしろ施術にしろ、あるいはカウンセリングその他も含め、なにかしらの手段がその事業の仕組みに組み込まれていると、どうしても、手段ありきの診断となってしまいます。思い切って、治療はしない、診療だけのサービスがあっても良さそうに思うことがあります。
 特に、日常で困っている不定愁訴やストレス疾患、それこそ不眠だとか、耳鳴り、手の痺れ、とか…色々回ったけど、よくわからない、というやつ。人間ドックをいくら受けても、腰痛の治し方はわからない。

 こういう話は、個人の健康も、ビジネスやプロジェクト上の問題も、同じだと思っています。

 そこで発案したのが、解決策を売りにしない、焦って解決しようとしない、ただただ原因だけを理解するためだけの、純粋壁打ちでした。

 究極の根本原因が見えてしまえば、ものすごく安価な手段で、悪いところは、自分で解決できる。見立てをつけるところだけを、徹底的に、寄り添う。
 そんな壁打ちがあってもいいじゃないか、そう思って、始めることにしました。

なぜ「無料」なのか

 ありがたいことに、体験いただいた方には「お金をとってもいい」「事業化できるクオリティ」といっていただけます。が、そこで費用を取ってしまうと、相談を提供できる機会を絞ってしまうことになりますし、無償だからこそ、本当の意味で「フラットな壁」になれると感じています。
 なので、無料でさせていただきます。

 もちろん、そこから始まって、定期的に続けたいとか、会社の中で展開したい、といったことになると、適性な対価のご相談も始まるかなとは思いますが、そのような場合でも、当方から無理にプッシュして、ということはいたしません。

 なぜなら、やはり、コンセプトは「純粋壁打ち」なので!
 ぜひ、叩きに来ていただけますと幸いです。

体験者の声をご紹介

・始める前は、考えがまとまっていなかったけど、言語化してくれて、方向性が見えた!
(通信系ベンチャー企業勤務 相談テーマは「ライフワークを見つける」)

・プロジェクトのキックオフのイメージが持てた
(情報システム部門 リーダー 相談テーマは「社内改善プロジェクトをもっとスムーズに進めたい」)

・プ譜は面白い。プロジェクト立ち上げ時の、チームビルディングにも使えそう!
(大学教員 相談テーマは「学生のプロジェクト活動支援」)

・話を聞いてくれて、ありがとうございました。シンプルに、楽しかった!(*^^*)
(フリーランス プロフェッショナルPM 相談テーマは「プロジェクト思考の深堀り」)

セッションの様子の例を、こちらの記事でもご紹介中!

結縄久俊さんのビジネス相談

石田葉さんのソーシャルプロジェクト立ち上げ相談

米川植也さんのビジネス相談


この記事の著者

後藤洋平,ポートレート

プロジェクト進行支援家 後藤洋平

ものづくり、新規事業開発、組織開発、デジタル開発等、横断的な経験をもとに、何を・どこまで・どうやって実現するかが定めづらい、未知なる取り組みの進行手法を考える「プロジェクト工学」の構築に取り組んでいます。

世の中のプロジェクトがもっと幸せなものであるようにと思って、日々、プロジェクト立て直しや育成プロセス改善など、試行錯誤しながら、活動しています。

mail: info@gotolab.co.jp
Facebook https://www.facebook.com/gotoYohei
LinkedIn https://www.linkedin.com/in/%E6%B4%8B%E5%B9%B3-%E5%BE%8C%E8%97%A4-2159a925b/

youtube再開しました!

https://www.youtube.com/@project_and/featured

著書

・予定通り進まないプロジェクトの進め方(宣伝会議)
・紙1枚に書くだけでうまくいく プロジェクト進行の技術が身につく本(翔泳社)
・“プロジェクト会議”成功の技法 チームづくりから意思疎通・ファシリテーション・トラブル解決まで(翔泳社) 等


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