
この記事について
連載企画「プ譜のワイガヤ研究会」では、世の中にありそうな様々なプロジェクト状況を題材に、どうすればうまくいくのか、考えるポイントはどこにあるかを考えます。
実ケース、仮想ケース問わず様々な状況について、プ譜をただ書くだけではなく、AIレビューの結果や実際の実行結果との比較をすることで、学びや気づきを掘り下げます!
もくじ
1 Case1(リアルケース):メンタルダウンからの独立、果たしてうまくいくか?
2 ずばり、AIレビューが判定した成功確率は・・・
3 実際はどうだったか
4 考察とまとめ
Case1(リアルケース)
メンタルダウンからの独立、果たしてうまくいくか?
プ譜のワイガヤ研究会、第一回は、ずばり筆者の「独立」体験リアルケースを題材とします。
自著『紙1枚に書くだけでうまくいく プロジェクト進行の技術が身につく本』やブログ等でも紹介しておりますが、後藤は2006年に大学卒業後新卒入社後、三社の経験を経たのちに、体調を崩してしまい、会社員生活を撤退して、ゴトーラボを作りました。
会社遍歴はものづくり系ベンチャー企業 → 新規事業開発コンサルティング会社 → ITサービスベンダと、わりと脈絡のないキャリアでした。
もともと、ベンチャー、スタートアップ、新規事業、起業、といったものには憧れが強かったのですが、恐怖感も強くてなかなか踏み切れなかったのを、体調不良を理由に、かなり消極的な形で実行した、という流れでした。ある程度は社会の仕組みや常識も理解した人間ではある一方で、東京都内に住宅ローンを抱え、売上や顧客のあてもなく、小さな子どもも育てながら・・・という、なかなかハードな状況ではありました。
当時の独立ビジョンが、こちらです。

当時の感覚としては、まぁ、とりあえずは起業なのだから、株式会社を作るのかなと、思っていました。ただ、フリーランスで青色申告をしてもいいし、合同会社など、コストの低い設立方法もあります。
どうしようかなと思っていたときに、お付き合いのあった税理士の先生と話をしてみたら、やろうとしている仕事はやっぱり相手からの信用力が大事になる、株式会社の一択に決まってる、と叱られたので、株式会社にしました。
中間目的や施策を見ると、まともなちゃんとした会社を作ろうとしていた当時の雰囲気がよく残っていると思います。このあたりは、会社員生活をするなかで感じていた疑問や悩みの裏返しでした。いろんな会社を経験するなかで、意外と会社って「仕組み」があるようでないというか、あいまいな部分が多いと思っていたのでした。
「どうせやるなら、ちゃんと仕組みが回っている、ちゃんとした会社にしたい」という感じでした。
さて、この独立起業プロジェクト、うまくいくでしょうか・・・?
もちろん、すでに結果が出ていますし、それは著書にも掲載してありますが、まずはAIレビューを受けてみたいと思います。
ずばり、AIレビューが判定した成功確率は・・・

ずばり、成功確率は「17.5%」と判定されました!
ちなみに、プロジェクトエントロピーは「5.266」 これは、数値的には「あんまり深く考えていない」という数字です。
あんまり深く考えていなくて、客観的にみたときに、成功確率も低い・・・とはいえ、各施策の評価を見ると、わりと客観的に評価をしてくれている感じがあります。
例)
・ひたすらプレゼン資料・提案資料をつくりまくる → 体調と時間制約で実行が難しい:60%
・行動量とCVRが計測できるようにする → 行動量とCVR計測はツール導入で容易、実装成功率高:85%

ちなみに、単純にそれぞれの施策の成功確率を推定するだけではなく、各施策がどの中間目的にどの程度寄与するか、そして施策が全部うまくいかないとだめなのか、少なくともひとつの施策がうまくいけば達成できるのかなど、様々な場合分けを考慮したうえで、最終的な成功確率が計算されています。

レビューコメントの全文は、以下のリンクでお読みいただけます!
https://report.kickpufu.com/reports/a172a0e6-bbab-47cd-9a04-647dc3f0e909/VfKfhPBZJf.html
ちなみに、この記事を書くなかで、ある方にこの第一局面を見ていただいて、AI判定結果をお見せせずに、直感で成功確率を推定していただいたら「10%ぐらいかな・・・」とのコメントをいただきました。
いまでこそ、当事者の自分も、同じ感覚で振り返ることができますが、当時は大真面目で考えていたことだったので、なんだかちょっと恥ずかしいような、複雑な気持ちがしました。
実際はどうだったか
現実に起きたこととしては、以下の第2局面の通りです。赤い吹き出しは「うまくいかなかったこと」を、青い吹き出しは「うまくいったこと」をあらわしています。
AIレビューの予言が、当たっている感じがします。

初期の試行結果を踏まえたうえでの再立案
ちなみに、以上の結果を踏まえて再度、起業ビジョンを立て直したのが以下のプ譜です。

このプランは、自分としてはかなりフィットして、結果も良好となり、このあと同じ方針で3期連続の増収増益を達成したのでした。とはいえ、レポートを出してみると成功確率は低めで、このケースは、実感とぴったり同じとはいきませんでした。

レビューコメントの全文は、以下のリンクでお読みいただけます!
https://report.kickpufu.com/reports/a172a0e6-bbab-47cd-9a04-647dc3f0e909/VfKfhPBZJf.html
考察とまとめ
第一局面の判定結果は、実に言いえて妙な数字でした。
確かに、ほとんどの中間目的が未達成でした。にも関わらず、設定した勝利条件はなんだかんだで達成した、というのが、実際の結果でした。こうして結果を見てみると、17.5%という数字は、実に絶妙なものだという感じがします。
当時、このレビュー機能があったらどうしたかな?と、思います。
「やっぱり、やめた」とするのか、それとも「成功確率の高まるプランにブラッシュアップしよう」と思ったか?
もしかしたら、レビューのことは一旦忘れて、やりたいようにやったかもしれない。結果も行動も、大きくは変わらなかったかもしれない・・・
第三局面について総括するならば、成功したのはかなりラッキーなことで、自分の意思ではコントロールできない、外部環境が追い風になってくれたということかもしれません。数字が高い、低いに一喜一憂しないことも大事だなと思わされる、そんな検証結果となりました。
この記事の著者

プロジェクト進行支援家 後藤洋平
ものづくり、新規事業開発、組織開発、デジタル開発等、横断的な経験をもとに、何を・どこまで・どうやって実現するかが定めづらい、未知なる取り組みの進行手法を考える「プロジェクト工学」の構築に取り組んでいます。
プロジェクト能力開発やPM/PL人材不足問題の解決のために、日々、試行錯誤しながら、活動しています!
著書
・予定通り進まないプロジェクトの進め方(宣伝会議)
・紙1枚に書くだけでうまくいく プロジェクト進行の技術が身につく本(翔泳社)
・“プロジェクト会議”成功の技法 チームづくりから意思疎通・ファシリテーション・トラブル解決まで(翔泳社) 等
提供サービス実績
・現場リーダー層のプロジェクトマネジメント能力や業務課題の現状調査
・カスタマーサクセス、導入コンサルティングの組織、スキル要件整理、プロジェクト標準見直し
・PMO部門責任者の退任にともなう後任探し、引き継ぎのための業務棚卸し支援
・社員育成体系のリニューアルにともなう社内キーパーソンへのインタビュー、問題整理 等
プロジェクトや組織の悩みがあれば、ぜひお寄せください!
プロジェクトの悩みは、ひとりで悩んでいても、なかなか、解決は難しいものです。
利害関係やしがらみがないからこそ、差し上げられるヒントもあります。
ひとこと、お声がけいただければ、ご相談に乗らせていただきますので、お気軽にご連絡をいただけますと幸いです。
メールの場合: info@gotolab.co.jp まで、ご連絡ください。
参考
ゴトーラボでは、プロジェクトの企画書や計画書、MTG資料や議事録から、プロジェクト組織や進行に関する深層課題を読み解き、今後、どのような対策を打つとよいかのヒントを差し上げる、というサービスを提供しています。
数多くの深層課題に触れてきたなかで、見えてきた知見もございます。特に、SI開発やDXプロジェクト、新規事業などを中心に多くのご相談をお受けしています。
サービス紹介ページはこちら→ https://www.gotolab.co.jp/pm-skill_assesment/

この記事もおすすめ
プロジェクトワークの基本的な世界観
「プロジェクトの進め方」は1つじゃない!8つのタイプ別に考える推進アプローチ
受託/商品開発/事業開発/変革など、プロジェクトの進め方と勘どころをタイプ別に解説!
「取引」(商談・契約・納品・検収)の一連の流れを「モノ」と「プロセス」の二元的解釈によって読み解く
要望/要求/要件/仕様/設計の違いについて解説!【テンプレートあり】
テンプレートや作例も!プロマネスキル向上のヒント集
ITじゃないプロジェクトも!WBSの書き方再入門【テンプレートあり】
タスクの無間地獄に落ちないための、課題管理のコツ【テンプレートあり】
うっかり間違えやすい、「要件定義」の本質的な意味と方法【テンプレートあり】
SaaS・AI時代のITプロジェクトの鉄則
ITサービスの導入成功に必要な「プレ・キックオフ・コミュニケーション」のご紹介
SaaSを活かすか殺すかは、情報システム企画構想の質が決める【テンプレートあり】
究極の手戻り対策:作業後の「やっぱ、ここ、こうして」問題はどうするとよいか
プロジェクトの遅延やトラブルは、「キックオフ」の時点で、すでに始まっている
AI時代、それはプロジェクトの「マネジメント」でなく「デザイン」の質が問われる時代
プ譜についての解説
プ譜のワイガヤ研究会
プロジェクトの類型別攻略定跡
実体験から解説! 委託・受託型プロジェクトのよくある問題と対策
理念とリアルの相克! 事業開発の成否は「テーマとコンセプト」が握る
テーマとコンセプト
プロジェクトの企画構想に、輝きを取り戻すための「視点」と「問い」
プロジェクト進行能力を、組織的に底上げする
社員のプロジェクト進行スキルを、組織的に底上げしていくための処方箋
3つのお悩みカテゴリでわかる!PM、PL人材の層を厚くするための、打開のヒント
PM/PL人材の評価・育成の方法を徹底解説【テンプレートあり】
プロジェクト組織におけるPMの役割と、必要な個人の内的資源の話
「プロマネスキル」と「社会人基礎力」の違いを本気で考えてみる!
「PMやPMOに、コストをかける意味って、ほんとにあるの?」という素朴な疑問への答
複雑化した座組みのプロジェクトを救うのは「カリスマ的プロジェクトマネージャ」ではなく「フラットな媒介者」
シリーズ「地獄化プロジェクトからの脱出」
年商10億円の伸び悩み問題を「組織的プロジェクト進行能力」の視点で考える
趣味的な放談コンテンツ
少年漫画の金字塔「HUNTER×HUNTER」は、プロジェクト的思考のヒントのパラダイス
