【事例】独立系中堅SIer様(リーダーシップ強化と離職率改善)

この記事では、ゴトーラボの人材・組織開発支援の事例について、ご紹介いたします。

事例概要

クライアント独立系中堅SIer様
カウンターパート・経営者&役員陣の皆様
当社へのご依頼の背景・創業以来、営業も技術もPMも万能な社長が会社を牽引してきた
・従業員が増え、案件が大きくなり、業務や権限を移譲する必要が生じた
直面していた課題・いざ、現場でのリードを任せようとしたところ、混乱と迷走が大発生
・30代を中心とした年齢層の中途採用を強化しても、早期離職が続出
 「社長はスーパーマン」
 「自分たちは、社長とは違う」
「できないことをやれと言われる」
 「社長の言っていることがわからない」
 「とにかく、自分たちは、お客さんに怒られるのが嫌」
提供サービス・プ譜のグループコーチング
・プロジェクト管理技法の動画レクチャー&添削、共有会
実施したこと第一段階
 ・プ譜を用いた対話の場(少人数、月に一回ペース)
 ・主に、若年層がプ譜を書き、マネジメント層から助言をする
 ・ときどき、マネジメント層のプ譜を若年層にも見てもらう

第二段階
 ・改めて、計画や課題管理などの、PM技法の本質のレクチャーを実施
 ・ただ一方的に教えるのではなく、添削や共有会など、双方向型を重視して展開
支援期間・8ヶ月
(2021年5月~2021年12月)
得られた結果◯プ譜
・PM業務に対するスタンスの言語化・共有をする「対話の場」を作ることに成功
・「そうだったのか!」 「やってみようかな」と思えるきっかけを生み出した
・モチベーションの改善 離職率を下げることに寄与 中間層の立て直しに成功

◯PM技法レクチャー
・若年層の多くが、自信をもって顧客対応をすることができるようになった

◯最終的に
・受託プロジェクトの規模が拡大(数千万円規模 → 数億規模)
・二次請け案件中心から、直接契約中心へと、売上構成が改善
・顧客から「PM能力が高い」と褒められ、感謝されることが増えた

この事例のポイント

プロジェクトマネジメント能力の獲得には、おおきくふたつ必要です。

ひとつはいわゆる、「マネジング」の力。いわゆるプロジェクト管理のための帳票を使いこなし、情報を記録し、整理し、次の意思決定や行動につなげ、計画通りに結果を出す力です。その力を獲得するには、プロジェクト管理の知識やツールの使用方法を習得する必要があります。

しかし、それを学ぶことを目的としてしまうと、プロジェクト人材教育は、失敗してしまいます。

なぜなら、プロジェクトを真の成功に導くためには、自発性や意欲、リーダーシップが求められるからです。「マネジング」と対比して「リーディング」と呼ばれます。

自発性や意欲を取り戻す過程の次に、プロジェクト管理を学ぶ、という順序でなければ、真のプロジェクト人材育成にはつながりません。

この事例のポイントは、自発性を発揮するきっかけを見失っていた中堅層の皆さんが、プ譜のワークショップを通して、相互理解や気付きを得て、自発性を自ら獲得していったことにあります。

プ譜のワークショップのメリット

プ譜を「書く」ことによる効果

書き手のレベルbeforeafter
ビギナー●そどんな順番で、なにをどう考えたらいいかイメージがつかない
●漠然とした不安
●状況把握の基本が理解できる
(人、お金、時間、品質、組織、競合etc)
●とにかくこれ、という行動の最初の一歩
中級者●ある程度状況への対処はできるが、マンネリ感や手なり感による成長の壁に直面
●不安だけでなく、あきらめや不満も
●その業務が「なんのためか」を再発見できる
(自分だけでなく、会社や顧客にとって)
●散らばった思考が整理できて、スッキリする
エキスパート●自分個人のパフォーマンスだけでなく組織的な向上が必要であると認識している
●後進の育成が難しいことも痛感している
●暗黙知化していた自分の思考プロセスを、言語化できる
●他者に思考を共有できる可能性を見出す

他者とプ譜で「話す」ことによる、学びや気付きの効果

from / toビギナー中級者エキスパート
ビギナー孤独感の解消
困っているのは、自分だけじゃなかった・・
自己成長イメージの獲得
なるほど、先輩はこういうふうに考えるのか
アドバイスに納得
なるほど、あの助言の真意と狙いは、これだったのか
中級者後輩の課題の理解
なるほど、手が止まっていたのはここに原因があったのか!
相互の気づき
自分と違うアプローチを知って、引き出しが増える!
自己成長イメージの獲得
なるほど、先輩は、そういうふうに状況を見るのか!
エキスパート世代間ギャップの解消
なるほど、いまの若い人は
そこで悩むのか・・!
状況の正確な把握
なるほど、この案件は
そこに問題があったのか
「正しさ」の確認
やっぱり、そうだよね、というハイレベルな相互確認