• せっかく一人前に育ったメンバーが、昇格したとたん不調になってしまう
  • 人が定着せず、「人材の自転車操業」が続いている
  • チーム全体に一体感と覇気がない

プレイングマネージャにとって、メンバーの育成はとても重要な仕事ですが、これを十分にやれている、と言い切れる方は少ないようです。
企業理念や事業戦略を理解したうえで、ひとつの現場を責任をもって仕切ることができる中核メンバー。メンバー育成とは、一朝一夕になせることではなく、また、そのような存在が得られたとしても、雇用の流動化の昨今、長く力になってくれる保証はありません。

彼ら彼女らが「育たない」「辞めていく」。やりたいこと、やらなければならないことは、もりだくさん。経営者は孤独だ、といいますが、プレイングマネージャという生き方もやはり、「正解」の見えない孤独な戦いです。しかし、目の前にある義務もチャンスも、待ってはくれません。
ミッションを任せられる次世代中核メンバーをいかに早期戦力化するか。

これは、あらゆるプレイングマネージャの自己実現における、重要課題です。

プレイングマネージャ 受難の時代。

平成とは、昭和の時代に作り上げてきた「年功序列型・単一民族・男性中心組織」を価値観のうえで否定した時代でした。いまや外国人が同じ会社、同じチームにいて一緒に仕事をすることはまったく珍しいことではありません。男女の区別はほとんどないばかりか、年上の上司、年下の部下がいても変ではない。

個人の自由と多様性の肯定。実に歓迎すべき話ですが、価値観の多様化が起きていることに対して、ミドルマネジメントの方法はそんなに進化していない。そこに、いまどきのマネージャの悲哀がある、と思うのです。

・昭和のような「上意下達」型のマネジメントは封じられている
・仕事の量と難易度は高くなる一方
・お手本とするマネージャが身近にいない

という三重苦のなかで、今日のミドルマネジメントは戦いを強いられています。これを悲哀といわずして何といえばいいのでしょう。

そこで、プロジェクト工学に基づく、これからの時代に向けた、新しい1on1の形を提案したいと思っています。

リクルートマネジメントソリューションズ調査「ミドル・マネジャーの置かれる環境と仕事の実態 アンケート調査とインタビュー調査から」によると、プレイングをする理由の一位はずばり、「業務量が多いから」で、比率は61%だったそうです。人の入れ替わりが激しく、仕事の内容も変化が大きいなかで、「こういうふうにすれば大丈夫」というモデルが存在しないのも問題です。
「年功序列型・単一民族・男性中心組織」の時代と違って、暗中模索の手探りで苦労しているなか、上からは「うちはなかなかミドルが育たない」と言われ、下から文句も要望も突き上げられる。

上から下に押し付けるのではない。でも、絶対に結果がでる。確かな方法論があります。

プロジェクト工学は、第25代東大総長もつとめた工学者の吉川弘之先生が日本独自の理論として提唱した理論「一般設計学」に基づいて考案された方法論です。

情報システムの導入や開発、営業目標達成、人材採用/育成・・・企業は様々なプロジェクトに満ちています。そこに必ずともなうのが、考慮もれ、手戻り、想定外トラブル。あらかじめ考えていた通りに物事が進むということは、まずありません。プロジェクトというものには姿かたちがありません。
不確実性に満ちた取り組みにおいては、いまそこにある課題を、目に見えるものとして表現し、進行状況を観測し、思った通りに制御する方法が求められます。

プロジェクト工学とは、「自分たちがいま、どのような状況にあって、何をもくろんでいるか。仕事を前に進めるために、どんな作業に全力を挙げて集中すべきか」を明らかにする方法論なのです。

あなたが「伝えたつもりでいること」の99%は誤解されている。

プロジェクト工学ワークショップを体験した多くの方が、「こんなに違うことを仕事相手が考えていたとは、思わなかった」という感想を述べられます。

  • いま目標としているものはなにか(獲得目標)
  • 何がどうなったら、それは「実現できた」と言えるのか(勝利条件)
  • それを実現するために、何が必要か(中間目的)
  • 具体的にいますべきことは何か(施策)
  • いま自分たちがどのような環境におかれているか(廟算八要素)

あらゆる仕事は、この五つの要素で語ることができます。が、適切な構造化による、正しいプロトコルを通じたコミュニケーション でなければ、「少しの違い」が「正反対のメッセージ」を発してしまうのです。
目標のすり合わせをするのは当たり前ですが、経営トップ、マネージャ、メンバー等、立場の違いが、勝利条件の無意識の違いを生み出します。
さらに、勝利条件の違いは中間目的の違いを導き出してしまい、結果として取り組むべき施策が真逆を向いてしまう、そんなことが私たちの日常空間では茶飯事なのです。

プロジェクト工学では、人の心を「薪ストーブ」のアナロジーで考えます。

人の心の内側には、「幸せになりたい心」があり、かたやその外側には「取り組むべき仕事」がある。この二つが互いに必然的な存在として結びつけば、人は夢中になって取り組むことができるが、結びついていない状態だと「我慢」「苦行」になってしまう。
ストーブのなかで薪が燃えるためには「酸素」と「薪」が必要なように、実は人も「心」と「仕事」が結びつき、反応するこで回転数を上げていくようにできているのです。
この観点に立って、以下の4つのデザインを考えることが、これからのマネジメントにおける必須教養となります。

A=最初に「心」と「仕事」を結びつけるための、人と課題の「関係性」のデザイン
B=最初の反応閾値を超える「感動」のデザイン
C=ひとりのなかで、Cycleが確立する「円環」のデザイン
D=人同士が温度を高め合うための「空間、時間」のデザイン

大事なのは、人によって、どんな課題とどんな心が結びつくかは、全然違う、ということです。
人は良かれと思って、他人も自分と同じ価値観を持っていると無意識のうちにイメージしてしまうもの。
しかし、メンバーに対して、いまこの瞬間に、自分の論理で火をつけようとすることは、そもそも不可能であり、無意味なのです。
まずは自分自身を知ること。次に、他者と自分が違うということを知ること。そして、メンバーのいまの状態を知ること。
この三段階を実践することで、上手に火が点くタイミングを捕まえるための、心の準備が整います。

育成に手が回らない。でも、育成はしたい。

目指しているものは同じなのに、なぜか話がかみあわない。通じない。どんなに心理的安全性が高くて、フラットでオープンな組織でも、上下関係、使役関係が存在する以上、そのようなストレスはうまく表面化されずに「肩凝り」にも似た症状を呈すことになります。現に、いまここに「つらみ」がある。なのに、原因がよくわからない。ほぐしてもすぐに再発してしまう。
日常の忙しさにかまけて目の前のタスクに追われているうちに、徐々に心と心が通わなくなってしまう。

ミドル人材の転職理由の「人間関係」が常にトップの座を譲らないのは、そんな背景があるのではないでしょうか。

組織におけるミドルポジションは、対上流、下流の双方のトランザクションが発生する困難な職務ですが、だからこそチームで成果を出すための「意思疎通をする力」を最大化するための絶好の機会とも言えます。

最小の労力で、最大の効果をあげるにはいかなる方法があるのでしょうか?

思考表現標準、という発想。

答は簡単です。
「誰にとっても書きやすく、読みやすい表現方法を身に着ける」
「目の前にあるプランを改善するための思考のひきだしを増やす」
ただこれだけのことなのです。

プロジェクト工学に基づく、表現、設計、改善のサイクルを身に着けることが、一生の宝となることをお約束致します。
難しい用語は一切ありません!とにかく、書く。書いたものを使って対話する。その繰り返しによって「現場で鍛えた、使える思考」を身に着けることができます。

あれもこれも、ではなく、あれかこれか、の思考法。

時間というリソースが極めて限られているプレイングマネージャにとって、最も気を付けなければならないのは、優先順位です。
あれもやりたい、これもやらなきゃ、の状態では、絶対的に駄目なのです。重要なのは「何をやらないか」。しかしこれは正しい順番での思考方法をによらなければ「やみくも式」「行き当たりばったり」になりかねません。
いま自分が、いかなる獲得目標と勝利条件を設定するのか。それを実現するために必要な三要素とはなんなのか。これを見つけることができれば、その戦いは勝ったも同然です。

当社設立者の後藤自身、SaaS企業でプレイングマネージャをつとめ、成功と失敗を繰り返してきました。そのなかでたどり着いたのが、プロジェクト工学を通して「思い通りにならない」が「創造する楽しみ」「貢献する喜び」に変えていきたい、という思いでした。

そんな思いを共有できる方々との出会いを楽しみにしております。ぜひワークショップにお越しください。きっと、現状を打開するヒントを差し上げることができます。